日本の国はここがおかしい

将来の希望を失いつつある日本、国民が安心して生活できる国になるにはどうすればいいか

景気はリーマン以来の低水準、消費税10%キャッシュレス還元終了で個人消費は落ち込まざるをえない

日銀が1日発表した6月の企業短観は、企業の景況感を示す業況判断指数が大企業・製造業でマイナス34(前回3月調査はマイナス8)となった。リーマン・ショックの影響で深刻な不況に陥った2009年6月以来11年ぶりの低水準。大企業・非製造業はマイナス17(同プラス8)で、こちらも09年12月以来10年半ぶりの低水準となった。新型コロナウイルスの感染拡大で、企業心理が大きく悪化していることが確認された。

 

一方で個人心理も今後ますます悪化が予想される。

 

ボーナスについては新型コロナの影響で多くの企業で前年比マイナスは確実と言われている。ボーナスが支給できない企業も増加しており、前年比プラスなのは公務員ぐらいである。

 

さらに、消費税引き上げ対策として始まったキャッシュレスでの還元は6月で終了し延長されない。一方新しく9月から開始されるマイナンバーと連動した還元は還元率こそ25%と大きいが、還元上限が5000円と少なく、マイナンバーの手間を考えればあまり期待できそうもない。

 

まだ国民はコロナ禍での自粛に伴うショック状態にあるが、自粛ムードが完全になくなった後は一時的に反動で消費が増えるとしても、すぐに収入や貯蓄の減少、先行きの不安に目が行くことになり、消費を抑えることになるだろう。

 

何らかの思い切った消費拡大策と国民不安の除去策をうたないと、コロナ以前の消費に戻ることはほとんど期待できず、日本の経済はますます悪化していくことになる。

 

日本企業は米中冷戦に備えるべき

米国の覇権に中国が挑むことによって生じた米中対立が激しさを増している。米国は香港国家安全維持法案に関係した中国当局者の入国制限を発表し、これに対抗して中国は悪質な言動をとる米国人へのビサ発給を制限すると発表した。

 

この対立は既に経済面にも波及しており、米国は中国企業20社を中国政府や中国軍の関連企業として認定し、最新の技術が流出しないよう警戒している。

 

また、米中対立の激化に備え、ナスダックに株式を上場している中国のネット通販大手が香港の証券取引所にも株式を上場した。将来的にアリババがナスダックの上場廃止になることもありえないことではない。

 

米中の覇権争いは歴史的な対立であり、政治だけではなく経済面においても大きな影響を与えることは間違いない。

 

既にアメリカのポンペイ国務長官はEUとの間で新たに、中国への対応を話し合う高官による対話を始めることを明らかにした。

 

新たな対話についてポンペイオ長官は「中国が西側に及ぼす脅威への懸念を話し合う」と説明し、「われわれの共通の課題は、自由と民主主義をどうやって守るかだ。中国共産党の脅威への理解を共有できれば、行動を起こせる」と述べ、EUとの協力に意欲を示した。

 

かっての米ソのように、世界が中国圏とそれ以外に分かれる冷戦構造が復活する可能性は否定できない。日本経済は中国に多くを依存しているが、米中冷戦が始まれば米側に組みすることにならざるをえない。

 

中国への依存度が高い日本企業は今からそれに備えて準備しておくべきである。中国が米国の覇権に挑戦し続ける限り米中対立は避けられず、日本が両方にいい顔をすることは許されない。

都知事選挙では東京一極集中が争点の一つになっているが、結局のところ地震がそれを解決することになる。

東京都知事選挙の争点の一つとして東京一極集中の是非があがっている。過去に何度も東京一極集中を是正しようという動きがあったが、現在に至るまで東京一極集中は促進されることはあっても是正されたことはない。

 

経済的な見地から見れば日本の発展は東京の発展と直結しており、文化的に見ても東京の魅力は他の都市の追随を許さない。

 

この状態で意図的に東京一極集中を改善しようとすれば、都民の利益に反する思い切った行動が必要となり、これは東京都知事の権限を越えている。

 

東京一極集中の問題は経済や文化、住環境の問題すらではなく、リスク管理の面で論じられるべき問題であり、これは国の管轄になる。

 

東京圏の人口及びGDPは日本全体の3割を超える。狭い地域にこれだけの人口と経済が集中しているのはリスク管理の観点から見れば危険極まりない。

 

しかし、過去の状況をみてもこれが平時に是正される可能性はほとんどない。是正されるとすれば非常時が発生した時である。

 

最も実現性が高いのが東京直下型地震の発生である。少なくとも50年以内には必ず発生する災害である。現在の日本経済で指針が発生し東京が壊滅的な打撃を受ければ、それは関東大震災の比でない大きな被害を日本経済と社会に与え、ひょっとしたら二度と日本は復活できないかもしれない。

 

また、近隣諸国と戦争状態となり核ミサイルを三発ほどうちこまれても同様である。

 

日本が平時に東京一極集中を是正でき可能性はほとんどなく、このような多数の死者を伴う天災または人災だけが一極集中の是正を実現することになるだろう。

 

敵基地攻撃能力をアメリカに丸投げしていては、アメリカのどんな要求も受け入れざるをえない

イージスアショアーの導入断念で敵基地攻撃能力が議題に上ってきた。あたかも敵基地攻撃能力がミサイル防衛網の代替になるかのような記事になっているが、敵基地攻撃能力はミサイル防衛網の代わりにはならない。

 

そもそも国の安全を守る為の軍隊にはミサイル防衛網と敵基地攻撃能力の両方が不可欠である。この二つとも欠如しているという点で多額の税金を投入している自衛隊はオモチャの軍隊の域を脱していない。

 

自民党の議論を見ていると、現在は敵基地攻撃能力はアメリカに依存しており、政府はそれを認めている。日本政府はアメリカに対し敵基地に攻撃してほしいと要請できる立場にないので、仮に日本が攻撃を受けたとしても、その反撃として敵基地に攻撃を加えるかどうかはアメリカの判断次第ということになる。

 

トランプ大統領のように公然と要求を聞かないと駐留米軍を撤退すると脅迫する大統領は稀としても、多くのアメリカの政府当局者が日本から譲歩を引き出す時に念頭においているのが、日本の防衛面での弱さである。

 

中国や北朝鮮の脅威から自国を守る為にはアメリカに依存せざるを得ない日本にとって、外交面は勿論経済面においても、アメリカからの強い要請には自国の利益を害してでも従わざるをえない。

 

日本の防衛にとって敵基地攻撃能力は不可欠であり、それは規模の大小はともか自国で保有すべきである。

安全保障で独り立ちしていないと、政治でも経済でも従属せざるをえない

米中対立が政治や軍事面だけでなく経済面でも激しくなっている。アメリカは中国のこれ以上の台頭を望まず、中国躍進の原動力となっている経済を抑制しにかかっている。

 

中国企業への様々な活動規制はその一環であり、これからもアメリカの中国叩きは強化されることはあっても止むことはない。日本企業が中国企業との取引や中国への進出を検討する場合は常にアメリカの対応を念頭においておくべきである。

 

アメリカが一旦決心すればどうなるかはバブル期以降の対日政策を思い出せばいい。1980年から90年にかけ日本経済は空前の発展をとげ、アメリカの時代は終わり日本の時代になると言われていた。ジャパン アズ ナンバーワンという本が書かれたのもその当時である。

 

今でこそ当時はバブルであり一時のあだ花にすぎなかったというのが通説になっているが、その当時の日本の発展が継続し続ける可能性は決してゼロではなかった。

 

バブルの崩壊とその後の長期にわたる日本経済の低迷には明確なアメリカの意思が働いていた。世界の盟主であるアメリカにとって経済で日本の後塵を拝することは我慢できなかった。アメリカは徹底的に日本経済を分析し日本経済を崩壊させる為の最も効果的な手段をとった。

 

好景気と金融緩和を背景とする土地の大幅な値上がりに苦慮する日本当局に対し、バブル潰しを強要した。これに乗せられた三重野日銀総裁は極端な金融引き締め政策を実施し日本経済に爪医的なダメージを与えた。

 

次に日本政府に円高を許容させることで日本経済成長の原動力だった輸出採算を大幅に悪化させた。

 

そしてとどめが国際会計基準適用の強制である。バブル崩壊により株価や土地等の資産価格が暴落し大きな含み損をかかえた企業に最悪のタイミングで時価会計や減損会計の適用を強制し、含み損を表に出すことを強制した。

 

結果、企業の財務は大幅に悪化し、これらの企業への金融機関の貸付は全て不良債権と化し、金融機関も国際基準適用を強制されることで、企業への追加貸し出しはほとんど不可能となり、貸しはがしに走らざるをえなくなった。当然企業は設備投資どころではなく、世界の潮流から大きく後れをとることになり、多くの事業分野で海外企業の後塵を拝することになった。

 

日本がアメリカの要求に従わざるをえなかったのは、防衛をアメリカに依存しているからであり、経済面においてもアメリカへの依存度が高いからである。

 

安全保障面で自立していることは自国の国益を優先する為には不可欠であり、経済面においても一国に多くを依存することは自国の独立性を阻害することになる。

 

中国は日本と異なり、軍事面でも経済面でもアメリカへの依存度は少ないのでアメリカの中国弱体化策が日本の時のように成功するとは限らない。

日米地位協定を見直すべき時期にきている。

現在の日米安全保障条約と、在日米軍の法的地位や基地の運用などを定めた日米地位協定の発効から60年を迎えた。条約に基づき、米国は日本を防衛する義務を負う。代わりに、日本は米軍に基地などの施設や区域を提供する。それが日米安保体制の中核である。

 

日本の自衛隊が単独では自国を防衛できないオモチャの軍隊であり、周囲を中国や北朝鮮、韓国といった反日国家に囲まれていることから、日本の安全確保の為には米国に頼らざるをえない。

 

しかし、この地位協定は日本側に圧倒的に不利な不平等条約である。在日米軍基地は、米国が排他的な使用権や管理権を持つ。国内法令は事実上適用されない。日本側に立ち入り調査権はない。事件や事故の際は、日本側の捜査や司法手続きなどが制限される。日本の航空法が適用されず、米軍機の夜間や低空の飛行訓練は続いている。

 

横田基地の存在により東京への空路が大きな制限を受けていることは周知の事実である。この意味で日本はまだ戦後のアメリカによる占領時代を完全に脱却したとは言えない。

 

特に今回のトランプ大統領のように、北朝鮮の核の脅威や中国による尖閣審判の脅威にさらされていることを利用して駐留費用の増額をたくらむようだと、米国への信頼感も揺るがざるをえない。

 

元々日本への米軍駐留は日本だけの為ではなく、アメリカの世界戦略にとっても重要であることを明確にし、日米関係を対等の同盟関係にすることが健全に日米関係の為に必要である。

 

現在の防衛体制を続ける限り日本はアメリカに税金をむしり取られ続ける

ボルトン米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は23日出版の回顧録で、昨年7月に訪日した際、トランプ大統領が防衛費の分担金として年間約80億ドル(約8500億円)の負担を求めていると日本政府高官に伝えたと証言した。全ての在日米軍を撤収させると脅して交渉を優位に進めるようトランプ氏から指示を受けたことも明らかにした。

 

80億ドルは日本が現在、負担している在日米軍の駐留経費負担の4倍以上に相当する。日本政府はこれまで米側の負担増要求の報道について「そのような事実はない」(菅義偉官房長官)と完全否定していたが、米側の当事者本人が明確に認めた形だ。

 

日本は5兆3133憶円という膨大な税金を防衛費に費やしているが、その実態は戦争できない軍隊でありアメリカ軍の協力がなければ中国ロシアは勿論北朝鮮にさえ勝つことは不可能である。

 

一方日本をめぐる環境は厳しさを増している。中国は尖閣列島への侵略の意図を隠そうともしないし、日本の原油輸入ルートの東シナ海での支配権を強化している。また、北朝鮮核兵器とミサイルの開発を進め、既に何時でも日本の都市を破壊できるだけの軍備を整えている。

 

アメリカにそっぽを向かれたら日本の安全は維持できない状態にあり、トランプ大統領の対日戦略は十分に実現可能性がある。

 

日本政府は都合の悪いことは常に国民の目から隠し裏で対応してきたが、事実は事実として認め国民に再考させるべきである。

 

自衛隊が戦争できない軍隊にとどまっている最大の原因は敵国への攻撃兵器を持たないことである。弾道ミサイル爆撃機、戦闘機を運ぶ為の空母、ミサイル防衛網は戦争できる軍隊である為には不可欠である。

 

中国やロシアと戦争して勝てる軍隊を持つ必要はないが、少なくとも日本と戦争すれば割に合わないと思わせる程度の軍事力は必要である。それが実現すればアメリカとも対等のパートナーとなることができ一方的に金をむしりとられることはなくなる。

 

日本国民がそれがどうしても嫌なら、憲法に従い自衛隊を廃止すべきである。代わりにアメリカにそれで浮いた5兆円以上の税金を支払い防衛を委託すればいい。

 

中途半端な軍隊を持つことは無駄遣いであるばかりか、かえって危険である。