確かに、官邸に幹部官僚の人事権が集中したことが忖度の一因であることは否定できない。しかし、それでは以前のように官僚である事務次官が官僚の人事権を握り、政治家である首相や大臣がほとんど口出しできない体制の方がいいか、というとそんなことはありえない。
人事権を持っていない限り、如何に制度上官僚が首相や大臣に従うように決められていても、官僚は命令通りには動かない。
政治家が命令しても、官僚は自省に都合ま悪いことについてはそれを黙殺し骨抜きにしてきた。
弊害はあるかもしれないが、官邸が官僚の人事権を握ることで、国民は官僚に間接的ではあるが影響力を行使できる体制が整った。