日本の国はここがおかしい

将来の希望を失いつつある日本、国民が安心して生活できる国になるにはどうすればいいか

転職市場の改善に無策のまま早期退職を増加させれば、さらに日本の崩壊を早めることになる。

日本の大きな問題点として35歳から40代後半の就職氷河期世代の問題がある。正規社員になれず非正規社員として働き、日々の生活におわれ老後の貯蓄も年金も形成できない世代が高齢世代になれば、財政面でも治安面でも日本社会に大きなダメージを与えると予想されている。

しかし、どうやら同様の危惧は50代のバブル世代でも発生しそうである。

2019年に早期・希望退職を実施した上場企業は35社で、対象者が計1万1351人に達したことが東京商工リサーチの調査で判明した。電機大手を筆頭に、6年ぶりに1万人を超えた。業績が好調なのにもかかわらず踏み切る「黒字リストラ」が増えているのが特徴だ。早期・希望退職の対象者は、1988~92年に就職したバブル世代を含む40代後半から50代が中心である。

現状では早期退職してもこの世代がふさわしい仕事につける可能性は低い。このまま早期退職が増加すれば日本はバブル世代と就職氷河期世代という二つの世代の高齢破綻者を抱え込むことになる。

日本の問題は労働者の流動性に乏しく、特に中高年の転職市場が不十分なことである。二つの世代を戦力化し税金を確保し将来の高齢破綻者を減少させるためにも、政府は抜本的な転職システムの改革を早急に進めなければならない。