日本の国はここがおかしい

将来の希望を失いつつある日本、国民が安心して生活できる国になるにはどうすればいいか

低所得高齢者の生活を圧迫する介護保険

介護保険制度は2000年に導入されてから20年たつが、制度の存続に黄信号がともっている。

サービス利用者は制度発足時の149万人から、現在は約500万人まで増えている。介護費用は当初の3・6兆円から10兆円をこえるまでに膨らんだ。

高齢者が払う月額保険料も、初年度の平均2911円が、2020年では6771円にたっしており2025年には8165円になると予想されている。夫婦で月2万円に達する介護保険料は、負担の限界を超えるとの声が強い。大阪市の例でいうと125万円の合計所得で年間104637円もの介護保険がかかり、大きく生活を圧迫している。

介護保険が導入された時、議論らしい議論もなく、いきなり政府の方針で唐突に導入されたという印象が強かった。今までの仕組みがどうで、介護保険を導入することで、何が改善されるのか、きっちりとした説明は国民にはなされなかった。ただ、高齢化に対応するには介護保険が必要であり、介護保険を導入すれば安心である、というだけの説明しかなされなかった。その結果がこれである。将来的な見通しも立てず拙速に社会保障制度を作ると必ず破たんする。