日本の国はここがおかしい

将来の希望を失いつつある日本、国民が安心して生活できる国になるにはどうすればいいか

日本を韓国に賃金で負けるような貧乏国にした政策の誤り

日本の賃金が遂に韓国に抜かされた。長い間日本はアジアで唯一の先進国としてアジアの各国の目標であり続けたが、現在ではもはや日本は豊かな先進国としての地位を失い、アジアでも成長しない衰退国として認識されるに至っている。

 

韓国や中国だけでなく、タイ等の東南アジア諸国から見ても日本の物価は安いと感じられている。為替は1ドル107円と円の歴史から見れば決して安い水準にないにもかかわらずである。

 

別に日本の生産性が高いから物価が安いわけではない。そのぐらい安い価格でないと多くの日本人が買えないからである。日本人が特別物価が安いと感じていないのに、タイ人が安いと感じるとしたら、タイ人の方が購買力が高いからにほかならない。

 

日本が今日の衰退を招いたのはバブル以降の様々な政治的失敗が起因している。

 

まず、日銀による急激なバブル崩壊が失敗の第一である。次にバブル崩壊後の株や不動産の下落過程で会計に国際基準を採用し企業の含み損を表面化させ、金融機関の融資姿勢を委縮させ、企業の設備投資を縮小させた。その結果世界をリードしてきた日本の大企業が没落し中国や韓国企業の後塵を拝するようになった。

 

多額の経済対策を行い半導体等の先端分野に国主導で多額の資金をつぎ込んだか全て失敗し多くの税金を無駄に費やした。さらに雇用維持や企業救済の名目で多額の資金をつぎ込んだが、それらの資金は官僚と利害関係を有する経済団体や事業組合傘下の企業に投入されたため、結果として競争力の無い企業を存続させることとなり、新規企業が技術革新により市場に参入する機会を奪った。

 

非正規社員制度の規制緩和により、労働者を低賃金で雇用し何時でも解雇できるようにしたことで、企業のガバナンスが緩み改革に遅れを生じ、海外企業との格差が広がった。

 

これらの財源を財政悪化を口実に増税社会保障の改悪で全て国民に押し付けたため、低賃金化や金利低下と相まって国民の可処分所得は大幅に減少し、日本はもはや魅力のある成長市場ではなくなってしまい企業の投資は海外に向かうことになり、さらなる経済低迷をもたらした。

 

このような政治が30年近く続いた結果、日本経済は衰退を続け、日本はアジア一の先進国から韓国に後れをとるような貧乏国に落ちぶれてしまった。

 

財源は国民から搾り取り、企業には経済対策等゛恩恵を与えるという基本方針は今でも変わっておらず、このまま10年も今の状態が続けば、日本は東南アジア諸国にも抜かれることになるだろう。