日本の国はここがおかしい

将来の希望を失いつつある日本、国民が安心して生活できる国になるにはどうすればいいか

災害復興ではハードの再建だけでなく、個人の生活再建にもっと金を使うべき

東日本大震災から10年が経過したが、東北の復活は実現できたとは言えない。道路等のインフラは整備され巨大な防波堤もつくられ、移転する高台も整備された。

 

しかし未だに被災地には損傷したままの住宅に住む住民が少なからず存在する。また、人口が激減し災害公営住宅にも空き家が目立つ。

 

これでは復興したとはいえない。その原因は復興計画がハードの復興に傾斜し個人の生活再建に力をいれなかったからである。

 

多くの被災者は家を失い、失わないまでも家に大きな損傷を受けた。政府の復興政策は被災者に対しては、かろうじて生きていける支援に留まり、将来への希望を抱かせるような支援は全くといっていいほどしていない。

 

個人の家の再建に税金を投与することは公平性の観点から好ましくない、といった官僚たちの現実を見ない理屈により、被災者が生活再建の為に最も必要な支援は見送られてきた。

 

結果、過大なインフラだけが建設され、肝心の住民が大幅減少し、お世辞にも復興とはいえない地域が多く発生した。

 

被災地の復興とは住民が以前の生活を取り戻すことであり、その為には個人が家を再び入手することや、働く場所を確保することが絶対に必要である。仮説住宅や災害公営住宅では被災者意識からの脱却はできず、人生再建の意欲もわかない。

 

地震に乗じ、理想的な街をつくろうとした官僚の現実を無視した計画は全て失敗し、結果的に住民の多くを被災地外に追いやることになった。

 

災害対策の基本は住民の生活再建であるという基本を無視した復興政策は無駄な費用を費やすだけに終わる。