日本の国はここがおかしい

将来の希望を失いつつある日本、国民が安心して生活できる国になるにはどうすればいいか

日本をむしばむ平等が一番という無責任

日本では難でも平等に扱うことが善だとされている。世界ではワクチン接種者に対してはワクチンパスポートを発行し様々な面で優遇策が講じられているが、日本ではワクチン接種者と未接種者の差別を産むとして否定的な意見が多い。

 

ワクチンであれ少子化対策であれ何かを実現するには国民をその方向に誘導することが不可欠であり、その爲にはその国策に従う者とそうでない者の間には明確な差を設けるのが必要である。

 

しかし、日本ではそのような政策を実施しようとすると不平等だとか差別だとかいう批判が沸き起こる。政策当局もその批判を恐れことなかれ主義の中途半端な対策しかうとうとしない。

 

地震災害で家を失った多くの被災者を救い、日本経済にプラスとなるようにする最も良い方法は被災者の家再建を支援することであったが、国が個人の財産を補填するのは平等に反するという理屈が優先された結果、多くの災害での被災者は依然として元の生活水準に戻ることができないでいる。これは日本経済低迷の一つの要因である。

 

この悪平等は政策の面でも顕著である。日本の将来を考えれば今最も予算を投入すべきは少子化対策であるが、他の予算をゼロにしてその分を少子化対策にと予算を集中的に投入するといったことはできず、他の既得権とつながった予算には手をつけないままで予算を確保しようとするため、十分な予算は確保できず思い切った少子化対策はうてないでいる。日本ではどんなに重要な政策目標があっても既存の予算を削減することは非常に困難である。

 

少子化対策であれば、不妊治療に金を出すより子供を産んだ家庭に十分な金銭的支援を与える方がはるかに有効である。しかし、子供のいる世帯を優遇すれば、子供のいない世帯から不平等だと批判され、政府はそれを嫌って優遇策をとることに躊躇する。

 

一方不妊治療支援については、少子化対策としては費用対効果が悪いが、正面きっての批判はおきず一応何かしたという実績は残せるので選ばれたものである。

 

全方位に目を配り、不平等という批判がおきないようにしていることから、日本では緊急事態に対応できず、平時でも不合理で効率の悪い政策がとられ、世界すらますます落ちこぼれていく。