日本の国はここがおかしい

将来の希望を失いつつある日本、国民が安心して生活できる国になるにはどうすればいいか

中産階級主体の経済が金持主体の経済より優れている理由

フォーブスは20日、2017年版の世界の長者番付を発表した。4年連続で米マイクロソフトの創業者ビル・ゲイツ氏が首位となり、資産額は約860億ドル(約9兆6000億円)だった。

 

日本人のトップは、ソフトバンクグループの孫正義社長で、資産額は212億ドル(約2兆3000億円)と、全体の34位だった。世界経済の回復や原油価格の持ち直しなどで、資産が10億ドル(約1120億円)を超える富豪は前年より233人多い2043人と、初めて2000人を突破した


日本国民総資産は8420兆円と言われているので、単純平均で一人当たりの総資産は66百万円になる。この金額でみてもビルゲイツは145千人分の資産を持っていることになる。


実際のところ日本人の貯蓄の平均値は1300万円、中央値は761万円、最頻値は100万円未満なので、中央値で計算すればビルゲイツ氏は120万人分以上の資産を持つことになる。


極端な例としてビルゲイツ氏一人の経済と日本人120万人の消費を比較した場合、ゲイツ氏が如何に贅沢な消費をしたとしても、食糧や衣服、住居等の日常品の消費量では圧倒的に120万人の方が多い。当然これらの製品の製造に要する設備や労働力も120万人の方が多くなる。


宝飾品等のぜいたく品についてはゲイツ氏一人の方が需要が多くなるが、それらの製造には特別な専門技術を持つ技術者を必要とするが、多くの人数を必要とするものではなく大きな雇用は産まない。一方で120万人が必要とする商品は大量生産品であり多くの雇用と設備を必要とし、同額の資産が少数に集中するのと多数に分散されているのを比較すれば、経済発展には圧倒的に多数に分散されている方が有効である。


経済的にも国民の幸福感といった面でも、少数者に資産が集中するアメリカ型の経済よりは、昔の日本のように平均的な資産を持つ中流階級が多い社会の方が優れていることは間違いない。