最近スーパーの肉売場を覘くとアメリカ牛が目立つ。価格的にもオーストラリアの肉よりアメリカの肉の方が安い場合が多い。
しかし、私はアメリカ牛を買う気にはなれない。狂牛病等に関してはアメリカ牛により多くのリスクを感じざるをえないからである。
別に、アメリカ牛の方がオーストラリア牛よりリスクが高いと考える客観的な理由があるわけではない。アメリカとオーストラリアの牛肉の生産過程には無知だから比較はできない。
私がアメリカ牛により大きなリスクを感じるのは、日本政府がオーストラリアには正当な要求ができてもアメリカには遠慮して正当な要求ができないからにすぎない。
防衛をアメリカに依存し、実質的にはアメリカの半植民地である日本政府はアメリカ政府には、例え正当なことであっても、その主張を貫くことができない。
例えば1975年に農水省は米国から輸入されたレモンに日本では禁止されている防カビ剤を大量に検出し廃棄したが、これを知ったアメリカ政府の要求により防カビ剤を解禁せざるをえなかった。
トランプ政権になってからもアメリカは日本では食品への使用が認められていないアルミノケイ酸ナトリウム(固結防止剤)、ケイ酸カルシウムアルミニウム(固結防止剤)、カルミン(着色料)、酸性リン酸アルミニウムナトリウム(膨張剤)の4品目を食品添加物と早急に認めるように要求してきている。
アルミニウムについては、生殖系および神経発達に影響を与えること、水腎症など泌尿器病変などの悪影響も判明し、アルツハイマー病の関連も完全に否定されたわけではない。それにもかかわらず、安倍政権はアルミニウムを含有する4品目を新たに食品添加物に指定しようとしている。(Business Journal 米国に「薬品漬け」にされる日本…危険な添加物混入の食品を続々輸入解禁 から抜粋 )
このように日本政府はアメリカ政府の意向には逆らえない。牛肉に対してはアメリカ側の要請により当初基準よりは大幅に緩和されている。
日本が厳正に対応できるオーストラリアの牛肉とアメリカ政府の顔を覗わざるを得ないアメリカの牛肉のどちらを選ぶべきか考えた場合、私は躊躇なくオーストラリアの牛肉を選ぶ。
勿論お金に余裕があれば国産牛を選ぶことは言うまでもない。