政府が産業界に強い圧力をかけて賃上げを実現してきたが、政府が期待したほどの個人消費の改善はみられない。海外からの観光客の消費拡大があってようやく景気を維持できているのが現状である。
政府や学者連中はそれを不思議に思っているらしいが、そんなことは不思議でもなんでもなく当然の帰結である。
団塊の世代が定年になり、すでに日本の人口の1/4以上が現役を退き、毎年その人口は増え続けている。
彼らの多くは実質的に無職であり、その生活を年金収入に依存している。しかし、その生活を支える年金収入は手取り14万前後であり、生活費には不足し毎月5万円以上の貯金取り崩しを必要とする。しかも、年金改革の名目の下に賃金とは異なり年金額はここ数年むしろ削減されている。将来的にはさらに削減される見通しであり高齢者の将来不安を煽っている。
いかに高齢者層が最も多く金融資産を有する層であるとしても、これでは消費の拡大に繋がるはずがない。定年退職し年金生活に入れば消費は抑えざるをえない。
これから5年で新たに8百万人以上が65歳に達し、6百万人程度が22歳に達することになる。65歳以上の年金生活者の消費減少が新規就労者の消費拡大を上回る為、このままでは年々日本の個人消費は減り続け経済は縮小し続ける。
これを防ぐには、65歳以上即無職の年金生活者という現状を変える必要がある。その為に最も有効な手段は定年制を廃止することである。年齢に関係なく能力で地位を決めるシステムを導入し、年齢差別としての定年制を廃止する。
これだけが日本の消費を維持し経済を低迷から防ぐ唯一の方法である。