一時どのテレビ局でも放送され、雑誌や本でも出版されていた「すごいぞ日本」ブームも一段落したようだが、今でも日本はすごい国なんだと本気で信じている人はかなりいるらしい。
しかし、残念ながらそれは幻想にすぎない。
強いと思われている日本企業についても非常に脆弱である。海外旅行に行けばすぐにわかるが日本の物価は安い。購買力平価でみれば円はもっと高くでも何ら不思議はない。しかし、日本企業は少し円高になれば減益になってしまう。安くないと売れない程度の製品しか提供できてないからである。
こんなことを言うと、世界シェアーで大きな割合を占める企業がいくつもあるという反論がくるが、しかし、そのような企業が増加しているかというとそうではない。また、中国のように新しい事業が次々と花開いていることもない。過度な規制が妨げているからである。
消費税増税等の増税で財政改善を図るとしているが、累積する借金は勿論、プライマリーバランスを改善するだけでも足らないだけでなく、経済の悪化をもたらし増税しても税収が増加しなくなる。また、現在40代から50代の少なからぬ部分がかつかつの生活をおくっており老後の準備ができていない。これ以上負担を増やせばより多くの団塊ジュニア世代が将来の老後破綻候補者となる。
これができなければ日本社会は敗戦当時のように一度徹底的に破壊することなしには復活できない。