元々、政治家の定年制は老害を防ぎ若手が活躍できる場を広げる為のものであり、導入された当時はそれに異を唱える者は少なかった。
しかし、その当時とは異なり現在では平均寿命が延び、高齢者になったからといって悠々自適というわけにはいかない。高齢者にも社会貢献や働き続けることが期待されつつある。
特に欧米各国で年齢差別が厳しく禁止されていること、マレーシアで92歳のマハティールが首相として復活したこともあり、本人の能力を考慮せず、一律年齢で引退させる日本の定年制に対する懐疑派が増えている。
高齢者が地位にしがみつき、若者の活躍を阻むという現象が発生するのは、客観的な能力評価のシステムが無いからである。個々の能力を客観的に評価し、それを公表するシステムが整備されていれば、無能な高齢者は地位にとどまることができず、有能な高齢者は誰にはばかることなくその地位を占めることができる。
官であれ民であれ政治家であれ、日本社会の根本的な欠点は客観的に能力評価をし、それを誰にでもわかるように提示するシステムが無いことである。
誰が見てもわかる客観的な実績でその人物の業績を示し、その結果に基づき評価するという仕組みを社会のあらゆる所に導入し定着させることが、日本社会の発展の為には不可欠である。