日本の国はここがおかしい

将来の希望を失いつつある日本、国民が安心して生活できる国になるにはどうすればいいか

年金低下という文言を削除し、国民をごまかしても事実は否定できない。

年金だけでは老後資金に2000万円不足するという金融審議会の方向を否定したばかりに、官邸は苦しい弁明におわれている。

 

官僚もこれを忖度し、19日に麻生太郎財務相に答申した財政運営に関する建議(意見書)から、原案にあった「将来の年金給付水準が想定より低くなることが見込まれる」などの文言を財務省が削除していた。

 

しかし、どんなに官邸が否定しても官邸や自民党財政再建を優先し年金削減政策をとっているという事実は否定できない。

 

ただ、官邸や自民党は密かに年金を減らし国民の関心をそのことには向けたくなかったので、金融庁に激怒し必死でごまかそうとしているにすぎない。

 

財政が苦しいので年金を減額するというのは、いいか悪いかは別にして、それは一つの方針であり政治家の取るべき道としては間違っていない。

 

しかし問題なのは、それを国民に内密に進め、国民が真剣に自分の老後を考える機会を与えようとしなかったことである。もう一つの問題点は、年金の減額をやむをえないとするのであれば、年金減額を前提とした実現可能な老後生活ビジョンを国民に提示していないことである。

 

年金では不足だから2000万円貯蓄しろと言っているにもかかわらず、非正規社員を増やし退職金を減額する政策を進めており、2000万円も貯蓄することは多くの国民にとって不可能になりつつある。

 

今回の報告書は年金では老後は生活できないという事実を指摘し、さらに2000万円の貯蓄が老後には必要だと断じた(今の40-50代の普通の国民には65歳までに2000万円の貯蓄をもつことは事実上不可能になりつつある。)

 

正に正直な報告である。これを否定する自民党政権には国民の老後生活に責任を負うつもりは全くないのだろう。自民党政権にとって国民の老後は自分で何とかすべきものであり、政府をあてにするなというのが正直な本音であろう。

 

これを自分のこととしてとらえることのできない能天気な国民には地獄の老後が待っているに違いない。自分の老後を何とかするには、これから必死に金を稼ぐか、国民の老後に責任を持つ意思のある政党に政権をゆだねる以外にはない。