今回の参議院選挙で二つの新しい政党が議席を獲得した。一つは山本太郎氏の率いるれいわ新選組であり、もう一つは立花孝志氏が率いるNHKから国民を守る党である。
この二つの党は全く対照的である。れいわ新選組の政策を見ると国民生活の改善を目指しており、その中身についても概ねまともであり、実現の可否はともかくとして、内容的に突拍子もないものは無い。また候補者の上位に障がい者を据える等、政策の実践を心掛けている。
一方でN国党の政策はNHKのスクランブル放送化であり、結果的にNHKをつぶすことを目的としており、それだけである。
おそらく、投票後のアンケート調査で投票した政党を聞かれ、れいわ新選組に投票した者は胸をはって答える一方で、N国党に投票した者は少しはにかみながら、あるいわシニカルな笑いを浮かべながら回答したのではないだろうか。
れいわ新選組に投票した人は現在の自民党政権に不満を持ちながらも既存の野党勢力を信頼できない層だろう。一方N国党に投票した層もほとんど同じであるが政治に対して何も期待していない層であり、NHK料金を強制的に支払わせることへの不満があり、N国党の主張に共感した層である。
理性の分野に属する正論と感情の分野に属する共感、理性と感情が対立する場合大抵勝利するのは感情であるが、次の衆議院選挙でどちらが伸びるか興味のあるテーマである。