日本の国はここがおかしい

将来の希望を失いつつある日本、国民が安心して生活できる国になるにはどうすればいいか

黒人差別反対デモを利用したトランプの戦略は予想以上に有効かも

大統領選挙でのトランプの人気が盛り返している。前回の選挙と同様に逆転もありそうな勢いである。

 

車に入ろうとした黒人を白人警官が後ろから7発うった事件は本来であればトランプにとって大きなマイナスとなるはずであった。

 

普通の大統領ならこの事件に対し遺憾の意を表明し、警官の行動を非難するだろう。しかし、トランプはそうではない。

 

トランプは銃撃の現地視察をしても被害者と会わず、警官ではなく抗議デモをテロリストとして批判した。さらにデモ隊に発砲し殺害した少年の行為を正当防衛として擁護している。

 

本来であればこのような行動は多くの国民の批判を招き支持率は低下するはずである。これにはアメリカ社会の歪みが反映されている。

 

アメリカ社会の二極分化による貧富の差の拡大で、多くの白人層が中産階級から貧困層に転落した。彼らは黒人やアジア人の台頭を自らの没落の原因ととらえ、強い反感と恐怖感を抱いている。

 

また、デモに参加している者の中には多くの恵まれない不満を持つ層が含まれており、少しでも挑発されるとすぐに暴徒化する。

 

まだ中間層にとどまっている白人層はデモに参加する者を恐れており、大統領がテロだと言えばそれに対する恐怖を抱き、政府には強い治安対策を期待する。

 

デモをテロと断定し強い対応を約束するトランプの支持率が上がる原因がそこにある。

 

病んだ社会アメリカでは正常な主張より極端な主張を行うトランプが支持を得やすい傾向がある。