社会保険料の負担をうまく逃れることができるし、正社員より少ない賃金で働かせることができ、いつでも解雇できる。
かっての就職し真面目に働いていれば、人並みの生活ができ、定年まで働き後は退縮金と年金で老後生活をするという日本人の標準的な生活パターンは永久に失われた。
2003年に労働者派遣法が改正されてから既に17年の月日が流れて日本はそれ以前の社会とは様変わりしてしまった。
非正規社員の平均月収は生涯で22万円程度と推定されており、手取りになると月17万円程度である。これでは日々の生活をおくるだけで精一杯であり、結婚資金や老後資金の準備をするのも難しい。
現時点でも勤労者所得の低下により、国内の購買力が減少し個人消費が低迷しているが、より深刻なのは将来である。
後20年で、生涯を非正規雇用で生活していた層が65歳以上の高齢者に達することになる。そうなれば、日本の財政と社会に与える影響は現在の比ではない。
社会の崩壊と治安の悪化は日本の将来を考える場合必然であり、避けることはできない。
唯一の手段は既に遅いかもしれないが、非正規雇用を見直すことである。