日本の国はここがおかしい

将来の希望を失いつつある日本、国民が安心して生活できる国になるにはどうすればいいか

半導体ICのシェアー低下に象徴される日本の衰退

日本の半導体IC市場のシェアが6%まで低下した、と米市場調査会社のIC Insightsが発表した。かつて日本が半導体分野でトップであり半導体産業をけん引した時代に半導体の主役は総合電機企業であった。

 

総合電機企業の多くは大蔵省の護送船団方式に乗ってきた旧財閥系であり、経営陣の多くは、伝統的な主要事業であった公共事業の部門から排出しており、ITや半導体のような経営スピードが要求される経験者は少数派であり、多くの経営者はITも半導体も理解していなかった。結果的に日本の半導体事業は需要の変化に対応できず衰退した。

 

マクロ経済の大きな流れの一つは、ITの進展が続くことであり、ITの3大要素である半導体、コンピュータと通信の分野で大きなシェアーを有することが成長には不可欠である。

 

しかし、半導体市場は世界中で成長しているのに、日本だけが成長どころか、停止している。かって日本よりも保守的だった欧州でさえ、ITが未来の進展に重要な技術であることを認識するように変わった。

 

これに対して日本は未だに政府などは信じられないくらいIT化が遅れている。新型コロナの対処の仕方を見てファックスという前近代的なマシンを未だに保健所の主要な通信として使っていることに国民は衝撃を受けた。

 

半導体事業の衰退が一つの例であるが、日本の大企業においては経営者は依然として先端分野には無知であり、自らの能力では先端分野の事業ではリーダーシップを発揮できない。

 

日本の大企業は人事制度を見直し、最先端の重要分野で最も力の発揮できる者を経営者に選任すべきである。