来年度の税制改正にむけて、いよいよ本格的な議論が始まりました。長く働くほど優遇される退職金への課税のあり方もテーマの一つになっている。
退職金への課税では勤続20年までは1年当たり40万円の控除で非課税となる。しかしその後、勤続20年を超えると1年当たり70万円の控除と控除額が引き上がる。これについては一つの企業に長く勤めれば長く勤めるほど、控除が増えてくるという仕組みになっており、終身雇用を前提とした仕組みなので、この時代に合っていないという声が上がっている。
現在、政府は、この20年を超えた部分の控除額の増額をなくし、勤続年数に関係なく一律40万円で計算するよう制度変更を検討している。しかし、これでは退職金に対する税金を増やすだけであり時代に合っていないという問題点の解決にはならない。
欧米型の転職してキャリアアップをはかるというライフスタイルが増えることが見込まれており、一つの職場で長く働けば、多くの退職金をもらえるという仕組みは今の時代にそぐわない。
老後の生活をおくる上で退職金は欠かせない。解決策としては増税ではなく、退職金についても年金のように職場が変わっても引き継げるように変えるのが本来の方向性であろう。