三井住友銀行が年功序列を廃止する人事制度改革を実施している。これまでの銀行の人事制度は、ピラミッド型でヒエラルキー、つまり序列がしっかりしていた。そのため銀行に入ったら、支店長や役員といったマネジメント職を目指すのが王道とされてきた。そうしたマネジメント重視の制度では、さまざまな部署を経験して幅広い業務を学んでいくゼネラリストタイプが求められてきた。
だが近年、銀行ビジネスの専門化や高度化が進んだことでゼネラリストタイプだけでは対応できず、専門性を持った人材、スペシャリストの重要度が増してきた。そのため外部からそうしたスペシャリストを連れてこなければならない、つまり中途採用を増やす必要性が出てきた。
一方で中途採用などで入社してきた専門人材からは実際、「ゼネラリストタイプが重用され、自分たちが割を食っているのではないか」といった声が上がっていた。
これを解決する為の人事制度として年功序列を廃止し、一人ひとりの能力を重視する人事制度が進行中である。
同じことは官僚の世界でもいえる。官僚の世界では出身大学と公務員試験の種類と成績、入省年次が決定的な意味を持ち、出世するうえではゼネラリストとしての能力が高く評価されている。
しかし、デジタル技術の急速な進歩で従来の選考基準だけでは対応できなくなり。官庁においても専門知識を持つ者の中途採用が増加している。
しかし、出世や待遇に関しては公務員試験に合格したエリートとの間に格差があるのが現状である。複雑な国際情勢やデジタル化の進展の中で諸外国と戦うためには大学卒業後、公務員試験に合格し官庁の中で仕事をしていただけでは能力不足であり、外部で様々な経験を積んだ人間を採用し、能力の発揮できる高い地位につけることが不可欠である。
公務員のキャリア制度を早急に見直さないと日本は諸外国と対等に戦えなくなるだろう。