厚生労働省が検討を進める「高額療養費制度」の見直し案が判明した。所得に応じて2027年夏までに自己負担の月額上限を7~38%程度引き上げる。
高額療養費制度は、大きな手術などで医療費の支払いが膨らんだ際、所得などに応じた限度額を上限に負担を抑える仕組みで、病気に苦しむ貧困者にとっては最後のセーフティネットである。
貧困者でなくてもこの引き上げによる負担は小さくない。年収650万円とするとボーナスを除く月額は40万円程度となる。そこから厚生年金、健康保険等の社会保険料を差し引くと手取りは31万円前後にすぎない。そこから高額医療費として8万円かかっていたものが11万円に増えると生活は相当圧迫される。
これが年額240万円程度の貧困層になるともっと深刻である。月額20万円だと手取りは16万円ていどにすぎない。このクラスだと高額医療費限度額は5万7600円から6万5400円に増加する。
手取り16万円から57600円引かれて10万円で生活するのは余程生活を切り詰めるか預金を取り崩さないと生活できないが、これが6800円支払額が増えることは綱渡りで生活している者の綱を揺らすような行為であり、貧困者の生活を破壊してしまう。
1650万円以上の高所得者は25万2600円から34万2000円まで増加するが、生活維持という観点からみればこれらはそれほど大きな負担ではない。
貧困者の生活を破綻させるような改悪をするならば、もっと高所得者を細かく区分して金額を増やすべきである。1億円以上の収入のある者にとっては34万円程度への増加は何の負担にもならない。
厚労省はもっと生活が維持できるか否かという観点で考えるべきである。