第二次大戦後続いた人類の幸せな時代が終わりつつある。共産主義に対する対抗策して生まれた修正資本主義は戦後の欧米社会と日本に空前の幸せな社会をもたらしていた。
グローバル資本主義においては、企業は国家の制約を離れ、賃金の安いところで雇用生産し、購買力のあるところで販売し、税金の安いところに拠点を設けている。
修正資本主義においては、労働者と顧客は同じ層であり、賃金を上げることは売り上げの増加に結びつくことが多かった。しかし、グローバル資本主義においては労働者と顧客は別物であり、賃金は安いことがベストであり、企業側に賃上げの必要性は何もない。
移民との雇用競争と貧困化がEU内での移民排斥運動の原動力となっている。衣食住に満足していてこその理想主義であるが、貧困化による不満拡大により、建前としての理想主義はその価値を失いつつある。
かって敗戦国ドイツで発生したユダヤ人排斥とナチス運動は、今度はヨーロッパ全域に拡大しEUの崩壊、移民排斥と極右政権の拡大という形で現れる可能性は否定できない。