西郷が地方役人として農民の立場をよく理解していたことは知られた事実であり、それを表現したものだろう。
しかし、西郷は善人であったと同時に、謀略家であり赤報隊の例に見るように平気で自分を信じる者を裏切ったことも事実である。
このように幕末、明治という時代は良い人だけでは乗り切れない時代であった。NHKが今回描く西郷とその周辺が今回の二話のような良い人話に終始するとしたら、わざわざ受信料を払ってまで見る価値はない。
現代日本を取り巻く難しい国際環境は幕末期や戦前に匹敵する。西郷とその時代を描くならきれいごとだけで終わってほしくないものである。
人望だけでは革命はできず、権謀術数を駆使することが不可欠である。