日本人の平均寿命は女性が87.09歳で世界1位、男性が81.05歳で世界4位と世界でも有数の長寿国であり、我々自身も同じように長く生きられると漠然と思っている。
しかし、今長生きしているのは全て戦前に生まれた日本人である。戦後生まれの我々が彼らと同様長生きできる保証は何もない。
日本人の寿命はこれから短くなると予想しても何ら不思議はない。既にその兆しは表れている。平均寿命が2年連続前年を下回っている。
厚生労働省は「平均寿命が前の年を下回ったのは新型コロナで死亡した人が増加した影響が大きかったのではないか。今後、新型コロナの感染拡大が落ち着けば、平均寿命が再び上昇する可能性もあると考えている」としているが、そうはならない可能性が高い。
最近70歳前後の有名人の死亡ニュースが目立つが、身の回りでも70代での早死にを目にする機会が多いように思う。
そもそも戦前に生まれ、戦時の食糧不足を切り抜けていた今の80代以上の世代は戦後世代よりはるかに強い。弱い者は戦中戦後の食糧不足の時代に淘汰されており、生き残ったのは元々強靭な者だけである。
戦後世代は食糧事情が改善されてから生まれ育った者であり、体質的に弱い者も淘汰を受けることなく生き残ってきた。
強者の集まりである戦前世代が長寿だからと、弱者も混在する戦後世代が同じように長生きできると考えるのは間違いである。
加工食品主体や欧米化した食習慣もあり、これからの日本人の寿命は短くなるる可能性が高いと予想しても大きな町が手とは言えないだろう。