日本の国はここがおかしい

将来の希望を失いつつある日本、国民が安心して生活できる国になるにはどうすればいいか

川崎殺傷事件が象徴する日本の危機、40-50代の孤立と貧困が平和な日本を終わらせる。

40代から50代といえば本来最も脂がのり日本の経済や社会を支える年代である。実際のところ現在の日本においてもこの世代がそれぞれ主要な地位を占め日本社会や経済をリードしている。

 

しかし、2000年当時と比較しこの世代は大幅に貧困化している。正社員として働いている者の賃金が減少しているだけでなく、非正規社員やフリーターの比率が格段に増えた。

 

本来社会の中核であるべき40-50代の中で、非正規やフリーター等で働かざるをえず、結婚もできず、結婚しても子供を育てる余力がなく、老後資金を準備できない層が増加している。

 

さらに、社会との接触を一切たち、引きこもりとして老親の年金でかろうじて生きている層が存在している。

 

今回の加害者もその一人であるが、日本社会の安定の為には40-50代の低所得者、引きこもりに対する対策は欠かせない。彼らがそのまま60代後半の老齢期に入る頃には日本は今とは様変わりな治安の悪い社会に変貌している可能性は高い。

可能性の少ない北方領土返還に無駄金を使うより所有者不明土地の有効利用を急ぐべき

日本の所有者不明土地は410万ヘクタールあると言われており、九州全体の面積が367万ヘクタール、北方領土全体の面積が50万ヘクタール程度だからそれを大きく上回っている。

 

昔から土地が狭いのが問題と言われてきた日本において、これほど多くの土地が未利用のまま放置されているのである。

 

外国人による土地所有の増加、高齢化、地方の過疎化の進展により今後ますます利用できない所有者不明土地の増加が見込まれている。

 

政府もようやくこの危険性に気づき対策に着手し始めたが。例によってそのスピードは遅く対策は効果が期待できず歯止めをかけることはできそうもない。

 

所有者不明土地と言えば山林や田舎のイメージが強いが、実際のところは都市のど真ん中にもあり、この存在が開発に要するコストを大きく引き上げている。

 

最終的解決としては所有者不明土地を国有化する等の方法で所有権を確定し、今後所有権不明土地が発生しない為には不動産登記を義務とし、不動産登記に公信力を与える必要がある。

 

しかし、それまでの方法として所有者不明土地の固定資産税を負担させられている納税義務者に不動産売買の権限を与えることが考えられる。

 

所有者不明土地であっても固定資産税納税義務者が存在するケースは少なくない。しかし、役所により納税義務者に指定された者はその不動産の区分所有者にすぎず、他の所有者の所在が不明等の理由で税金だけとられ不動産は活用できない状態にある。

 

これを法律改正することで、固定資産税納税義務者に他の区分所有者に帰属する分を供託しておくことを条件に自由に売却したり賃貸できるようにすればいい。

 

そうすることで、少なくとも都会の利用可能性のある所有権不明土地を有効活用することができる。

 

消費税増税の見返りに実施する低年金者向けの給付金は百害あって一利なし

10月に予定される消費増税に絡む経済対策の中で、見落とされがちなのが低年金者向けの給付金だ。通常支給する年金に最大で年6万円を上乗せする。1回限りではない恒久的な制度で、条件を満たせば上乗せされた年金を継続して受け取ることができる。対象は65歳以上の老齢基礎年金受給者で、同じ世帯に住む人全員が住民税非課税、前年の年金などの収入が老齢基礎年金の満額相当額(約78万円)以下などが条件となっている。

 

一見、いい制度のように見える。しかしこれは不公平な制度である。年間78万円以下しか継続的に収入が無いとすれば、日本で住居を保有または借りて生活することは難しく、生活できているとすれば他に何らかの収入があるはずであり、この給付金の対象となるとすれば単に税務当局がほかの収入を把握できていないだけである。つまり、申告しない収入をもっている者が恩恵を受けることになる。

 

さらに、本当に78万円以下の年金収入しかないならば生活保護の対象となるべきである。78万円に6万円が追加されてもそれでは生活できないことには変わりがない。

 

結局のところ今回消費税増税後に実施するという年金給付金は無駄である。本当に困っている者にとっては焼け石に水であり、年金以外の収入があるが申告していない者にとっては泥棒に追い銭となるだけである。

 

低所得者に対しては生活保護で対応すべぎある。年金面で資金を使うならマクロ経済スライドを停止し年金生活者の将来不安を軽減する法が余程有効である。

 

 

消費税を見なやさずダブル選挙するなら、与党議席は過半数を維持しても憲法改正には達しないようにしよう

野党の不人気を背景に勝利の確率が高いと判断した与党は衆参ダブル選挙への路線を進み始めている。

 

しかし、消費税増税の延期以外には衆参同時選挙を実施する合理的な理由はない。憲法改正を口実にしようとしても国民の憲法改正への関心は低く争点とするレベルに達していない。

 

しかし、与党は野党があまりにもだらしないことから、口実に関係なく選挙をすれば勝てると予想し始めている。

 

しかし、国民の関心が盛り上がらず内閣や与党自身も国民に対し憲法改正に関する十分な啓発活動を行っていない状況で憲法改正に道を開くわけにはいかない。

 

野党の体たらくを見るにつけ、野党政権は論外だから与党勢力には過半数を維持してもらう必要はあるが、憲法改正に必要な2/3まで与党勢力を増やすのは危険である。

 

万一衆参同時選挙が実施されたとすれば、与党勢力は過半数ギリギリ程度までに抑えるのが国民にとっては最も合理的な選択である。

世界は理想を追求する時代を終え、本音で行動する時代へと変化しつつある。

第二次大戦後のヨーロパの理想を体現したEUが揺れている。移民問題をめぐりイギリスの混乱に加え、EU議会の選挙においても反EU派の躍進が目立っている。

 

欧州は人類の平等と平和といった理想を追求する時代から、自分の生活を守るための本音の時代に変化しつつある。

 

その原因はEU内の貧富の差が拡大し中産階級が減少しているからである。金持ちではないが、安定した仕事を持ち生活に困らず、引退後も十分生活できる資産を持ち、バカンスにはリゾートに行くことのできる欧州の中間層は人類の平等・平和・理想の追求といった価値観を支持する母体であった。

 

しかし、グローバル司法主義の進展で格差が拡大し、さらに移民の増加によりその地位と生活が脅かされるに至り、もはや理想主義を追求する余裕を失った。

 

二極分化で下層階級に転落した彼らには、移民の増加は彼らの仕事と生活を脅かす脅威であり、もはやそれを許容できるだけの余裕はない。

 

グローバル資本主義の進展で世界的に中間層が減少していく中で、人類から古き良き理想主義は失われ、それぞれが自分の利益を追求し、それに反するものは排除するギスギスした時代が訪れようとしている。

 

アメリカに実害が出るまで中国に頑張ってもらわないと、日米貿易交渉は日本の完敗に終わる

米中貿易交渉でアメリカが中国に攻勢をかけている。関税の25%への引き上げに加えファーウェイに対する取引規制と今のところアメリカが圧倒的に優位に見える。

 

ここで中国がギブアップすれば、アメリカは何も実害を被ることなく中国との貿易戦争に勝利することになり、今後アメリカが日本や他国と貿易交渉をする場合の手本となる。

 

中国との貿易戦争に勝利した後に日本との交渉に入るとすれば、日本側が大きな譲歩を余儀なくされることは避けられそうもない。

 

世界経済や株価にとってはマイナスかもしれないが、米国経済への悪影響が顕在化しア

メリカもある程度譲歩せざるを得ないところまで中国に粘ってもらいたいものである。

そうなって初めて、日本もアメリカにある程度の譲歩を求める環境が整うことになる。

日本経済復活に必要なのは低生産性企業の退場、最低賃金1000円に加えすべての事業者に厚生年金加入を義務付けるべし

政府は6月にまとめる経済財政運営の基本方針(骨太の方針)に最低賃金の水準について早期に全国平均で1000円を目指す目標を盛り込む。

 

日本の最低賃金は先進国のなかでは低く、18年時点の水準を米ドルベースで比べると日本は7.7ドルで、フランスの11.7ドル、英の10.4ドル、カナダの9.6ドルを大きく下回る。

 

従来、日本の政策は生活者よりも生産者を重視しており、最低賃金が低く抑えられてきたのも中小企業の経営に配慮してきたからであった。

 

しかし、世界の経済構造も変化しており、日本経済は賃金を安く抑え安い商品を大量に輸出する方法では十分な成果を得られなくなっている。

 

それよりは他ではマネができないような高付加価値の製品やサービスを提供することが求められている。その為には国内に多数存在する生産性の低い企業が低賃金や政府の支援を糧に存続し続けることはかえって邪魔になる。

 

この際、古い生産性の低い企業を退場させ、新しい高付加価値の製品やサービスを提供できる企業に市場を明け渡す必要がある。

 

最低賃金を上げることは生産性の低い企業を退場されるのに有効なぱかりではなく、質の良い製品を購入できる消費者を増やすことにも有効である。

 

また、現在一部の個人事業者については厚生年金への加入が免除されているが、この例外を廃止し、正規であれ非正規であれ労働者を雇用する事業者については例外なく厚生年金への加入を義務づけることは、低生産性の低い企業の退場を促進できるだけでなく、年金財政の改善にも寄与できる。