現在、憲法改正については、いわゆる右派が賛成でリベラル派や左派は反対という立場に二分されている。
しかし、現在の資本謝儀的社会を否定する立場の差ははともかく、リベラル派を称する者が一律に憲法9条の改正に反対というのは不思議なことである。
そもそも、憲法の価値はその条文によって時の国家の権力行使を制限し国民の権利を守ることにある。
つまり、今の日本国憲法は時の政府の解釈で条文に反することも実行できる存在に成り下がっている。これでは国家権力を制限し国民の権利を守る役割を果たいことはできない。
しかし、現在の日本を取り巻く国際環境を客観的に判断すれば、憲法前文に「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した」書かれているように、我が国の安全を中国や北朝鮮、ロシア、韓国に委ねることはできない。
また、戦後一貫して我が国の安全保障はアメリカに依存しているが、その結果アメリカ軍に多くの日本国土を提供しているだけでなく、外交や経済政策、日本の政治体制等の多くの面でアメリカに実質的に隷属せざるをえなかったことは周知の事実である。