日本や西洋等、政治と宗教の分離、自由、平等、民主化等の近代化を実現した国々の人口が減少する一方で、アラブ諸国やアフリカ諸国等で近代化を経験していない国の人口が増加している。
このままで推移すれば、近代化を体現してきた民族は人口だけでなく政治・経済面での影響力でも少数派に転落し世界は再び中世の暗黒時代に逆戻りしかねない。
トルコのサウジ領事館で発生した記者の殺害事件などはそれをうかがわせる。サウジ等のイスラム教諸国はキリスト教であったような宗教改革は経験しておらず、依然として世俗と宗教の境界があいまいであり、サウジ等の王国においては宗教と政治も分離しておらず、中世の価値観がいまだに生き続けている。
現在は民主主義国家が政治的にも経済的にも優位を占めているが、中国を筆頭に精神的な阪大かの洗礼を受けたことのない国々や民族が経済的・政治的な影響力を増している。
日本や西洋等の民主主義国が少子化を見過ごしそれに甘んじていれば、近代化により獲得された個人の自由や人権はやがて世界から再び失われることになりかねない。