日本の国はここがおかしい

将来の希望を失いつつある日本、国民が安心して生活できる国になるにはどうすればいいか

レムデシビルはすぐに承認しても何故アビガンの承認に時間がかかるのか

政府は、開発中の抗ウイルス薬「レムデシビル」を新型コロナウイルスの治療薬として、早ければ5月上旬にも承認する方針を固めた。海外での承認を前提に、緊急時に国内の審査を簡略化できる医薬品医療機器法の「特例承認」制度を適用する。

 

特例承認とは他国で販売されている日本国内未承認の新薬を通常より簡略化された手続きで承認することである。レムデシビルは製薬会社ギリアド・サイエンシズがエボラ出血熱の治療用に開発していた未承認の抗ウイルス薬であるが、新型コロナの治療薬としてドイツ、フランス、アメリカ等の日本と同等の技術を有する先進国で承認されることを前提として承認されることになった。

 

一方でアビガンについては、これらの国で承認されていないことから特例承認の対象とならない。厚生労働省は申請後の審査の期間を短縮して年内の承認をめざすが、緊急的な対応での特例扱いでどこまで早められるかは未知数だ。

 

アビガンは既にインフルエンザ治療薬として承認されており、その時点で承認審査わクリヤーしており、実際に治験で新型コロナに効果のある事は実証されている。その意味で全くの新薬であり治療薬として今回初めて利用されるレムデシビルよりは安全性が高い。

 

しかし、新型コロナへの使用ではインフルエンザの3倍の使用が必要となるということで、再度の承認審査が必要となるのが時間のかかる原因である。もともと米欧などに比べ薬を現場で使えるようにするまでの仕組みが硬直的で、スピード感が劣るのが日本の医療行政の問題だが、今回のような非常時に適切に対応できないようでは、安全性確保の建前の下で多くの命が見殺しにされることになる。