日本ではかって、政治は三流だが経済は一流と言われていた。政治はコロコロ変わり日本の首相の世界的な存在感は薄いが、日本経済は強く勢いがあり、日本企業は競争力が強かったからである。しかし、バブル崩壊後は様変わりしている。政治も三流だが経済も三流というのが日本の実態である。
財政難と言いながらバブル崩壊後も日本は中国に資金を投入した。第3次円借款は 1990 年から 95 年度にかけて実施され、総計52件 8100 億円、第4次円借款は 1996 年度から 2000 年度にかけて実施され、総計93件 9698 億円のプロジェクトが実施された。
これらは現在の中国の発展に寄与したが、勿論中国の為だけではなく、日本企業の中国進出を支援する意味合いが強かった。しかし、結果はどうだろう。中国は急成長したが日本企業はその果実を得ることに成功しなかった。
日本企業は中国に進出し最先端の技術をおしげもなく供与したが、今現在日本企業の中国市場に占める地位は小さく、中国や韓国、台湾企業の存在感の方がはるかに大きい。中国以外の世界の市場でも日本企業は中国や韓国、台湾企業の後塵を拝し市場を奪われている。
しかし、日本企業は一向に成長せず世界から取り残されるばかりである。既存の製品においては中国、韓国、台湾に代表される新興工業国に価格面は勿論、質的にも負け始めている。
GAFAとの競争が必要な最先端分野では最初からあきせめている。かといって全く新しい事業分野を開発できるかというとそれもできていない。
新しい投資や新しい事業に乗り出さず、低賃金とコスト削減に注力しひたすら内部留保を積み上げながら衰退しているというのが日本企業の現状である。
莫大な資金を費やした研究成果が事業化されず眠っている日立などがその典型である。優秀な人材を集めるだけで活用できない、研究成果を事業化できず腐らせる。これらはリスクと失敗を恐れる日本式大企業経営の最大の特徴であり、現在の衰退をもたらした欠点である。