防衛力強化の必要性は認めるが、国民の苦しい生活の中から増税による負担増が必要となるとすれば、防衛費の増額よりもっと緊急に対応すべき課題が山積している。
防衛費増額の主な目的として敵基地攻撃能力があげられているが、仮に敵基地攻撃能力をもったとしても核保有国である中国やロシア、北朝鮮に対し日本が敵基地攻撃を実行することは事実上できない。何故なら相手領土への攻撃は核による反撃を招く可能性が高いからである。結局のところ核兵器を持たないなら敵基地攻撃能力は抑止力にはならない。
それよりも今の予算内で防衛戦略を見直すべきである。日本の防衛費はGDP比では少ないが絶対額では世界9位の規模であり決して少ないとは言えない。
しかし、日本の自衛隊の能力を考えた場合、単独で戦争できる軍隊にはなっていない。情報収集から防衛、攻撃という戦争の全局面をカバーできる体制になっておらず、整備や部品調達を含めてすべての局面でアメリカの協力がないと戦争できない軍隊になっている。
それが無理なら従来以上にアメリカに防衛を丸投げする方がより効率的で安全である。