そこまで言って委員会で例のごとく皆が勝手なことを言っていたが、その中で気になったのは橋下徹氏が日本の人口はいずれ8000万人になるのだから、その時どうすべきかを考えておくべきだと主張していたことである。
確かに今のままの政府の少子化対策は成功する可能性が低く、このままいけば2070年代には人口が8000万人台まで減少すると予想されている。
この事実から、橋下氏が言うように今から準備すべきだという主張はく違っていない。しかし、人口が8000万人になっても日本が国家として存続できるか、存続できたとしても日本人が今のような生活を送れるかははなはだ疑問である。
昔は人口はもっと少なかったのだから、別に人口が減っても問題ない。むしろその方が住みやすいと主張する人がいるが、根本的なことを忘れている。それは人口構成である。人口の少なかった昔は人口構成はピラミッド型であり、多くの若者が少数の高齢者を支えていた。
しかし、2070年日本の人口が8000万台になった時点では65歳以上の高齢者は総人口8700万人の内38.7%の3367万人に達すると想定されている。15歳以上の生産人口が4535万人と想定されているので、現役世代が高齢者を支えるという現在のような構造を維持することは不可能である。多くの高齢者は満足な食事を得ることも難しくなっているだろう。