日本の国はここがおかしい

将来の希望を失いつつある日本、国民が安心して生活できる国になるにはどうすればいいか

マクロ経済スライドを止めない限り日本のGDPは伸びない

7~9月期の実質国内総生産(GDP)速報値が年率換算で2・1%減に落ち込んだ。個人消費や設備投資などの内需が盛り上がらず、昨年10~12月期以来、3四半期ぶりのマイナス成長である。物価変動を反映させた実質賃金は9月まで18カ月連続のマイナスで物価高に賃上げが追い付いていないことなどが原因とされている。

 

しかし、原因は賃金だけではない。マクロ経済スライドの実施で年々実質的に年金額が減額されていることの影響も大きい。

 

実年金受給者は4000万人に達しており、国内の消費支出の内65歳以上世帯が4割を占め、年金暮らしの世帯が国内総生産GDP)の15%に影響する。

 

物価が上昇し、現役世代の賃金が上昇する中で、高齢者の年金生活世帯だけがマクロ経済スライドにより年金収入が物価上昇に遠く及ばず、年々生活が苦しくなっていく。

 

将来的に生活が苦しくなることが分かっている現状では、2000万円以上の預金をもっていたとしても余分な消費に回せる心の余裕はない。これでは如何に賃金を上げても個人消費は増えず日本のGDPは上がらない。

 

消費を拡大しGDPの成長を図るなら、賃上げだけではなく不当なマクロ経済スライドという制度を廃止し高齢者の将来不安を払拭することが不可欠である。