日本の国はここがおかしい

将来の希望を失いつつある日本、国民が安心して生活できる国になるにはどうすればいいか

年金だけでは日々食べることはできても一度の事故や病気で破綻する

厚生労働省の令和3年度厚生年金保険・国民年金事業の概況によると、厚生年金保険の平均年金受給額は月額14万5665円らしい。

 

この金額が老後生活を送るのに十分か否かということであるが、はっきり言ってこれだけで生活するのは難しいというのが結論である。

 

これに対しては、それ以下の収入で十分生活できているとの意見も多い。確かに家賃がかからず質素に一人暮らしをしていれば、その金額でも生活できる方法はいくらもある。

 

しかし、家賃が必要となると難しくなる。余程のあばら家でない限り地方都市でも家賃5万円程度は必要となり、そうなると生活費は10万円しかない。今日のように光熱費他の物価上昇が続けばやがて生活ができなくなってしまう。年金が老後の安定的な生活原資であるためには物価上昇に応じて支給額も増加する必要があるが、マクロ経済スライドという最悪のシステムにより、年金は物価上昇しても一部しか上がらず、インフレが進むにつれ実質減額してしまい、安定的な生活原資とは言えない。

 

さらに、問題なのは不意のトラブルである。人生には常に何らかのトラブルが発生する。病気や事故等である。人はそれに備え蓄えをするのだが、月15万円では日々の生活にカツカツであり、貯蓄をする余裕はない。

 

病気や事故で多額の治療費が必要となると、たちどころに生活ができなくなってしまう。

 

老後を安定的に生活する為には日々の生活に必要な資金だけでなく、万一に備えて対応できる貯蓄が必要となる。現在の高齢者の多くは貯蓄を有しており、それを万一のトラブルに充てることができるが、今後高齢者になる中高年の中には貯蓄の無い者も多く、年金だけでは安定的な老後生活はおくれない。

 

せめて、年金の増額はできなくてもマクロ経済スライドは廃止すべきである。国民の老後に安心感を持たせることは役に立たない防衛費増額よりは重要である。