アリババ傘下のアント・グループが20年11月に370億ドル規模の新規株式公開(IPO)を棚上げしたことがハイテク企業に対する規制強化の始まりとアナリストは指摘している。それ以来アリババ、テンセント・ホールディングス、美団、バイドゥ、JDドットコムの香港上場株式は40.4─71%下落。時価総額は約1兆1000億ドル減少した。
中国経済に占めるハイテク企業の占める割合が低い時点では、中国当局はハイテク企業の育成に力を入れたが、ハイテク企業が急速に拡大しその指導者の知名度と影響力が共産党指導部に匹敵するレベルになると、ハイテク企業経営者は指導部から権威を脅かす勢力として危険視されるようになった。
共産党とその指導者が権力と権威、情報の全てを統制支配することを当然とする共産中国においては、一定以上の規模と影響力を有する企業は共産党の権威を、そのトップは習近平の権威を脅かす存在として迫害されることは避けられない。