日本の国はここがおかしい

将来の希望を失いつつある日本、国民が安心して生活できる国になるにはどうすればいいか

円安を放置しているのは金融機関の救済策か

円ドル相場がついに160円を突破したが、今のところ財務省や日銀が円安解消の為に動く気配は見られない。介入しても一時的なもので効果がない、だから介入しないとの見方もあるが、もう一つ穿った見方もできないことはない。

 

円安を放置しているのは米ドル建て債券を多く持ち含み損を抱えた金融機関の救済策だからという見方である。

 

農林中金が外貨建債券の含み損で1兆5千億円の赤字になると報道され世間を驚かせた。外貨建債券を抱え含み損のある金融機関は何も農林中金だけではない。多くの地銀や日本郵政等の金融機関や年金機構や保険会社等も同様である。

 

しかし、現状の円安局面で外債を処分できれば損失を回避できる。アメリカの10年国債で見てみると最も価格が下落しているのは残存7年程度で利率が1%前後のものである。

 

これらは現在額面の80%から85%前後で取引されている。2割程度の含み損が発生していることになる。しかし、これらの債権が発行された2017年当時の為替レートは1ドル111円から115円程度である。

 

現時点の1ドル160円という価格で売却できれば、損失どころか利益を得ることができる。

 

財務省や日銀が円安を放置しているのは、今の間に金融機関が含み損のある外債を処分させる為であるとするのは考えすぎだろうか。

 

いずれにせよ、この処分が済めば財務省日銀は本格的に円安是正に動くことになるだろう。