日本の国はここがおかしい

将来の希望を失いつつある日本、国民が安心して生活できる国になるにはどうすればいいか

貧乏人の子は貧乏になるしかなくなった日本という国

厚労省の賃金構造基本統計調査の退職金を含めない学歴別生涯賃金比較によれば、大企業に就職した大卒男性の生涯賃金は約3億1000万円。対して、大企業に入った高卒は2億6000万円で、同じ規模の会社に入っても、大卒と高卒とでは生涯賃金に5000万円の差がつきます。さらに、小さい企業に入った高卒の場合は、生涯賃金は1億8000万円に下がるので、大卒大企業就職組と比較すると、ほぼ倍近い1億3000万円もの差が開いている。

 

将来の所得を考えるならば、大学へ進学すべきだがそのハードルは昔とは比べ物にならないほど高くなっている。親の給料はこの30年間全然上がっていないのに、大学の授業料だけは右肩上がりである。国立大学でも入学金と併せて81万円(内授業料53万円)私立文系で116万円(内授業料78万円)私立理系で154万円(内授業料110万円)これが医歯系になると授業料482万円(内授業料286万円)まで膨れ上がる。

 

地方から東京など都市部への進学をする場合には、家賃や生活費の仕送りとして最低でも年120万円程度の仕送が必要となる。

 

子の大学進学は、試験の成績だけではなく、親の経済力がないとそもそも不可能である。奨学金を借りれば貧乏でも進学できるという意見もあるが、その結果はより悲惨である。大企業に就職できた学生はまだいいが、給料の安い会社や非正規の職しか得られなかった場合には、少ない収入から生活費と奨学金の返済が必要となり、ぎりぎりの貧困生活をおくっている者も多い。

 

現在日本では生まれた両親の所得状況によって子どもの将来は決定づけられているといっていい。勿論例外はあるが、大部分はどんなに努力しても貧乏な家の子は貧乏だし、裕福な家の子は裕福になる。

 

日本が何故こんな貧困社会になったかというと、その原因は政府の政策失敗と無策にある。現在大学生の子供を持つのは大部分1970年代に生まれた世代であるが、彼らが就職してからの30年間というもの、日本経済の不振と政府の政策により、所得がまったく増えない給料デフレ時代に突入したことによる。

 

いずれにせよ、親世代の所得減少、教育費の高騰、非正規の増加と賃金の低下という日本社会の劣化が貧困家庭の子供は貧困になるという連鎖をうんでいる。