日本の貧困化
高齢者の貧困と並んで若者の貧困が増加している。厚生労働省が公開している「2022(令和4)年国民生活基礎調査」では、2021年の相対的貧困率が15.4%にも達している。相対的貧困とは可処分所得の中間値の半分以下の金額で生活している層である。 日本は若者…
日本社会では国民は高齢になるまでは働き、高齢になれば年金で生活することが想定されている。しかし、この前提が大きく揺らぎつつある。 少子高齢化による年金危機が強調され、マクロ経済スライドで年金額を毎年減額するだけでなく、高齢者の定義を繰り下げ…
40代から50代といえば本来最も脂がのり日本の経済や社会を支える年代である。実際のところ現在の日本においてもこの世代がそれぞれ主要な地位を占め日本社会や経済をリードしている。 しかし、2000年当時と比較しこの世代は大幅に貧困化している。正社員とし…
日本人の特徴といえば、勤勉、真面目、謙虚、協調性、親切、礼儀正しい、などが指摘される。また日本は治安のよさや街の清潔さなどが評価されている。 しかし、最近様々な分野で日本人や日本のよさが失われている事例に気づくことが増えてきた。アルバイト店…
昔まだ日本経済も円も強かった頃、アジアを旅行していると全ての価格が安く感じられたものであった。当時こんなに安く売って生活できるのかと疑問に思っていたが、地元の物価は観光地よりずっと安く地元の賃金でも生活できるという説明を受けて納得したもの…
40代女性の未婚率は約20%であり、40代未婚女性の35%が非正規として働いている。40代は団塊ジュニアでもあるので、数が多いことから過酷な受験戦争を経験したが、社会に出る頃にバブルが崩壊、長い就職氷河期が始まり、多くの同世代が正社員になれず、フリー…
他の先進国との比較では政府に対する不信感、将来への不安という項目でダントツに日本が高くなっている。この原因としては、長期間に及ぶ経済停滞とその結果生じた収入の低下、日本の地位低下がある。 バブルまでの日本では年を重ねるごとに賃金は上がり生活…
厚生労働省の2021年国民生活基礎調査の概況によると年金だけで生活している世帯は24.9%、8割以上の収入を年金に依存する世帯が33.3%になっている。 2019年の調査では100%年金で生活している世帯が48.4%、8割以上の収入を年金に依存する世帯が12.5%だった…
デフレの時代は経済成長という観点からは大きなマイナス要因であったが、国民の生活という点からは物価が安く生活しやすく、一部の金持や貧困者を除き生活面での格差はそれほど拡大しなかった。 しかし、今年になってからの物価上昇はこの状態を変えつつある…
日本が衰退し、世界の先進国としての地位もアジアのリーダーとしての地位を失ったことは、今では誰の目にも明らかになった。 賃金では韓国に抜かれ、一人当たりGDPでもぬかれつつある。管理職の賃金ではタイにも負けている状況である。 先端分野である半導体…
就職氷河期世代とは、概ね平成5(1993)年から平成16(2004)年に学校卒業期を迎えた世代で、現在では40歳前後から50代初めに達している。 卒業時点で不景気だった為、正社員として就職できず、非正規社員として働いている者が多い。彼らは結婚できていない…
40代独身者の平均年収は約490万円程度となるが、これが税金や社会保険料等控除後の手取り金額で見ると平均380万円まで低下する。 40代独身者の中央値では収入400万円であり、手取は317万円、40代独身者の半数はこれ以下の収入しかないことになる。 また、40…
黒田総裁が国民が値上げを許容していると述べたことで批判を浴びている。 意図的か否かは別にしてアンケート結果の読み方が間違っていることは否定できない。 賃金が上がらず、年金が6月から減額される現状で光熱費だけでなく、食料品から生活用品まで日々必…
ロシアによるウクライナ侵攻後、原油価格が史上最高値を更新した。新型コロナウイルスの感染拡大前の2019年末と比べれば、原油は70%以上値上がりし、小麦は約2倍になった。小麦以外でもトウモロコシや大豆も2年前に比べて2倍弱の価格になっている。これらは…
バブル以前の日本は、学校を卒業したら大部分は正社員として雇用され、最初に入社した企業で真面目に働いていれば、日本経済の発展と年功序列に守られ、定年まで生活の心配をすることはなかった。また、定年後は退職金と年金で十分に生活することができた。 …
今回の衆議院選挙を前に与野党を問わず、最低保証年金とか最低所得補償とか、名称はともかく労働に関係なく国民に金を配ろうという政策か目立つ。 これは国民を堕落させる政策である。病気や障害等で働くことのできない者についてはやむをえないが、働くこと…
厚労省の賃金構造基本統計調査の退職金を含めない学歴別生涯賃金比較によれば、大企業に就職した大卒男性の生涯賃金は約3億1000万円。対して、大企業に入った高卒は2億6000万円で、同じ規模の会社に入っても、大卒と高卒とでは生涯賃金に5000万円の差がつき…
財政不足の解消のため年々公共支出が削減され税金や社会保障費等の国民負担が増加している。 これは、かってアメリカが行ってきたことの後追いである。 その結果アメリカでは国民の二極分化が拡大 し、政府からフードスタンプをもらわないと生活できな い貧…
厚生労働省の「国民生活基礎調査」によると 1995 年から 2018 年までの 23 年間で、国民全体が収入階級の低い層に「落層化」しているとみることができる 。 増加している収入階級は、50 万円未満から 450~500 万円未満層である。逆に減少している層は 500~55…
2018年における日本人労働者の平均賃金は4万573ドル(OECD調べ)だが、米国は6万3093ドル、ドイツは4万9813ドル、オーストラリアは5万3349ドルと、先進諸国は総じて日本より高い。 各国の平均賃金の伸びを比較すると驚くべき結果となる。同じくOECDのデータ…
日本では女性の貧困化が進んでいる。これには離婚の増加による単身世帯や一人親世帯の増加が関係している。 また、女性の非正規率が高いことも影響している。平成29年における非正規雇用労働者の割合を見ると,女性は55.5%,男性は21.9%であり圧倒的に女性…
貧困には「絶対的貧困」と「相対的貧困」があり、日本で言う貧困は相対的貧困に当た.る。絶対的貧困は生活を維持していくことが難しい状態であるのに対し、相対的貧困はその国の生活水準や文化水準を下回る状態に陥っていることを指す。 相対的貧困者とは、…
日本は衰退を続けている。この事実に今では多くの国民が実感している。gdpこそ今でも世界3位の地位を維持しているが、一時期世界一だった一人あたりgdpは既に26位まで転落し近いうちに韓国に抜かれるだろう。 この日本の衰退は外交面でも大きな悪影響を与え…
今年10月の女性の自殺者は851人で前年同月比では82.6%も増加している。コロナ禍の影響で女性が多く務める飲食業界やフパレル業界が爪医的なダメージを受けており、その影響が女性従業員の生活を圧迫した結果である。 2020年4月以降、仕事になんらかの影響(…
日本人のモラル低下が止まらない。持続化給付金の安易な不正受給やトリキマラソン、SNSでの無責任な中傷、自粛警察等々、枚挙にいとまがない。 この原因には戦後教育がモラルや道徳面を軽視していたこともあるが、最大の原因は日本人の貧困化である。 様々な…
コロナ禍による被害を補填する経済対策として実施された持続化給付金で多数の不正が発生した。さらに飲食店を助ける爲のGOTOイートキャンペーンにおいても、予約して少額の注文をすることでポイントとの差額を稼ぐという手口が拡大している。 本来の目的から…
日銀が1日発表した6月の企業短観は、企業の景況感を示す業況判断指数が大企業・製造業でマイナス34(前回3月調査はマイナス8)となった。リーマン・ショックの影響で深刻な不況に陥った2009年6月以来11年ぶりの低水準。大企業・非製造業はマイナス17(同プラ…
現時点でドル円相場は111円台の円安になっている。消費税増税に伴う10-12月期の経済悪化や、新型肺炎の蔓延でおこるであろう1-3月の更なる経済悪化を素直に反応して円安になってるかのように思える。 これは今までになかったことである。以前は危機があれば…
日本ではいまだに円高だと信じている者が多い。マスコミや経済界を中心に円高の問題点を指摘する発言が多く見られる。株式投資などでも円高よりは円安を歓迎している。 しかし、もはや円が国際的に高い通貨である。というのは幻想にすぎない。円は決して強く…
一旦非正規として社会に出ると、正社員になることは非常に難しい。その為卒業後非正規社員となった者の多くは非正規のまま40代を迎える。 現在、40代の非正規社員が急増しているのはそのためである。 40代の非正規社員の生活は大変である。貯蓄がない、年金…