消費税を利用した悪徳業者の税金泥棒が多発している。その方法は簡単である。免税店としての許可さえあれば、外国人旅行者の名義も実際の商品も必要ない。日本の入国スタンプが押された外国人のパスポートを偽造し、そのコピーと自分で書いた免税物品購入記録票を税務署に提出し、販売した商品の仕入れ時に消費税をこれだけ払った、と虚偽申告すれば、その消費税が還付される。
消費税が上がれば上がるほどもうけが大きくなる。
手口はこれだけではない。金の密輸に代表される非合法な密輸なども今まで以上に儲かることになる。
売上を少なめに申告するのも有効である。売上で預かった消費税から仕入れで支払った消費税を控除し差額を納税することになるので、売上をうまきごまかせば預かった消費税の一部を利益として得るとができる。
輸出還付税などもおいしい話である。輸出商品の仕入れにかかった消費税は還付されるようになっているが、悪徳業者なら国内販売と輸出販売を入れ替えることもそれほど難しくない。
また、トイレ先や下請業者を叩けばたたくほどもうけが大きくなる。消費税相当分を値引きさせれば、実質は消費税を負担していないにもかかわらず、仕入れ分の消費税を控除できる。
消費税は弱者企業や消費者にとっては避けることができない税金ではあるが、強者や悪徳事業者にとってはおいしい収益源である。