日本の国はここがおかしい

将来の希望を失いつつある日本、国民が安心して生活できる国になるにはどうすればいいか

安全保障で独り立ちしていないと、政治でも経済でも従属せざるをえない

米中対立が政治や軍事面だけでなく経済面でも激しくなっている。アメリカは中国のこれ以上の台頭を望まず、中国躍進の原動力となっている経済を抑制しにかかっている。

 

中国企業への様々な活動規制はその一環であり、これからもアメリカの中国叩きは強化されることはあっても止むことはない。日本企業が中国企業との取引や中国への進出を検討する場合は常にアメリカの対応を念頭においておくべきである。

 

アメリカが一旦決心すればどうなるかはバブル期以降の対日政策を思い出せばいい。1980年から90年にかけ日本経済は空前の発展をとげ、アメリカの時代は終わり日本の時代になると言われていた。ジャパン アズ ナンバーワンという本が書かれたのもその当時である。

 

今でこそ当時はバブルであり一時のあだ花にすぎなかったというのが通説になっているが、その当時の日本の発展が継続し続ける可能性は決してゼロではなかった。

 

バブルの崩壊とその後の長期にわたる日本経済の低迷には明確なアメリカの意思が働いていた。世界の盟主であるアメリカにとって経済で日本の後塵を拝することは我慢できなかった。アメリカは徹底的に日本経済を分析し日本経済を崩壊させる為の最も効果的な手段をとった。

 

好景気と金融緩和を背景とする土地の大幅な値上がりに苦慮する日本当局に対し、バブル潰しを強要した。これに乗せられた三重野日銀総裁は極端な金融引き締め政策を実施し日本経済に爪医的なダメージを与えた。

 

次に日本政府に円高を許容させることで日本経済成長の原動力だった輸出採算を大幅に悪化させた。

 

そしてとどめが国際会計基準適用の強制である。バブル崩壊により株価や土地等の資産価格が暴落し大きな含み損をかかえた企業に最悪のタイミングで時価会計や減損会計の適用を強制し、含み損を表に出すことを強制した。

 

結果、企業の財務は大幅に悪化し、これらの企業への金融機関の貸付は全て不良債権と化し、金融機関も国際基準適用を強制されることで、企業への追加貸し出しはほとんど不可能となり、貸しはがしに走らざるをえなくなった。当然企業は設備投資どころではなく、世界の潮流から大きく後れをとることになり、多くの事業分野で海外企業の後塵を拝することになった。

 

日本がアメリカの要求に従わざるをえなかったのは、防衛をアメリカに依存しているからであり、経済面においてもアメリカへの依存度が高いからである。

 

安全保障面で自立していることは自国の国益を優先する為には不可欠であり、経済面においても一国に多くを依存することは自国の独立性を阻害することになる。

 

中国は日本と異なり、軍事面でも経済面でもアメリカへの依存度は少ないのでアメリカの中国弱体化策が日本の時のように成功するとは限らない。