日本の芸能界はアメリカ等の先進国と比較して遅れている、言われている。芸能事務所と所属タレントの力関係では圧倒的に事務所優位の関係が定着している。
それは一方的な契約内容だけでなく、その取り分に顕著に現れている。
吉本のタレントがよく冗談交じりに発言する会社8タレント2の取り分などは論外だが、多くの芸能事務所で所属タレントの稼ぎの半分以上が事務所の取り分となっている。
これはあまりにも高すぎる。芸能事務所側はタレントを売り出す為にコストがかかっているからその取り分は当然だという主張をするが、売れっ子タレントの場合そんなにコストをかけていない場合が多い。
結局のところ多くの失敗に要したコストを成功例にかぶせているにすぎない。しかし、それは正当化されるのだろうか。
一般企業の場合、商品を売り出すのに宣伝広告費をかけるが、それは経営判断として実施するものであり、あくまでも企業の責任において行うものである。その商品が失敗したからといって、その経費を次の商品に上乗せすることはない。
芸能事務所と類似の収益構造を持つ人材派遣会社のマージン率は25%から30%までである。個人の能力差がそれほど問題とされない人材派遣の場合、タレントの個人的知名度が物言う芸能事務所以上の営業能力や会社の信頼度が必要となるが、それでも会社の取り分は少ない。
これで半分以上をマージンとしてとるのは、やはり高すぎると判断せざるをえない。