日本の中小企業が現預金をため込んでいる。総資産に占める現預金の割合は2割強と、大企業の3倍まで膨れ上がった。もしもの時の「命綱」として貯蓄を増やしているもようだ。新型コロナウイルス禍で過度に保守的な経営になり、必要な投資に資金が回っていない恐れがある。(日本経済新聞)
日本経済で期待されているのは、アメリカのように新たに日本経済をリードするような大企業が次々と誕生することである。
それには新しいベンチャー企業が誕生し成長することが必要であるが、もう一つ重要なのは中小企業が成長して大企業の仲間入りすることである。
中小企業が成長するには積極的な開発や投資が不可欠である。しかし、預貯金をため込んでいるということは積極的な投資は実施されていないことを意味する。
中小企業が預貯金を増やさざるをえないのは銀行等の金融支援に不安があるからである。ベンチャーに対する投融資については以前と比較すればかなり環境は改善したが、中小企業が成長の為に必要な資金を確保する手段は依然として銀行融資がほとんどである。目先の業績と担保を重視する銀行の融資姿勢を見れば、不況で業績が悪化した時にはしごをはずされるリスクが常に存在する。
ベンチャーに対する資金が既存企業にも回るような資金調達の仕組みの整備が必要である。そうすれば預貯金に回っている無駄な資金を有効活用することができる。