しかし、米国債で運用されていたと考えれば普通ではこんなに損はでないはずである。金利上昇で米国債がどれだけ下がっているかというと、最も下がっているのは残存期間6年から7年程度の米国債であり、現時点では額面の80%から86%程度で取引されている。これだけ見れば金利上昇で米国債で損失を被ったというのは事実のように見える。
金利上昇と円安により為替ヘッジコストが上昇し逆ザヤになったというのが本当のところだろう。為替ヘッジの方法はいろいろあるが米債を持つと同時にドル建ての借入金を発生させヘッジする方法が用いられたのではないかと推定するが、それを解除するタイミングを誤って損失を拡大させたといのが実情ではないだろうか。
結局のところ農林中金の能力不足による運用失敗のツケは全国の農協、ひいては全国の農民が支払うことになる。
リーマンショックの時も大きな損失を被ったように農林中金の運用能力は決して高いものではない。農協の資金も農林中金に運用させるのではなく、いくつかの運用会社を選択し委託する形にした方がよほど低コストで安全に運用できるだろう。