そもそも消費税が全額社会保障財源として使用されているわけではない。消費税は一般財源化されており、その使途は社会保障費以外にも広く利用されている。また法人税や所得税もまた社会保障費に使用されており、消費税が社会保障財源だという主張自体が事実をあらわしていない。
社会保障費が増加し財政が悪化したのは、団塊世代が75歳以上となり、高齢者の比率が増加したからである。これを経済を現状のまま放置し消費税で賄うということは、歴史的な人口構成の失敗を現役世代の負担増だけで解決を図ろうとするものである。これは事実上不可能である。
日本の財政悪化のもう一つの原因は経済不振である。社会保障財源の不足がこれほど深刻化したのは30年以上も日本経済が成長しなかったことにある。中国やアメリカほどの成長は無理でも、せめてヨーロッパ並みに2倍程度成長していれば、これほど財源不足は深刻化しなかった。
日本経済低迷の最大の原因は消費税増税と国民負担政策である。これにより国民が自分の将来に不安を感じ消費を抑え貯蓄に走ったことが、非正規社員の拡大による貧困層の増加と相まって個人消費を縮小させた。一方企業経営者は目先の消費停滞と将来の少子化進行に怯え、日本の将来に絶望し国内への投資を縮小させた。